第29回平成28(2016)年

停止線を守らないバス(2)
~クレージーなバス会社~

平成28年2月28日掲載

バスの運転手は、本来は、立派な人である

路線バスの運転手というのは、本来、世間から尊敬されるような立派な人のはずである。

大型2種免許というむずかしい試験に合格するのだから、免許を取得した時点では、自家用車を運転するだけの人より安全について知識も能力も高い人間のはずである。 それがいつの間にか、歩行者軽視、信号軽視の運転をするようになるのはなぜだろう。 個人的には、一部のバス会社の社風に問題があると考えている。 どんなに立派な人間でも、変な人ばかりいる集団に属せば、最初は変だと思っても、いずれ染まる。

両備バスと下電バスの比較

停止線を超えて原付用のスペースをふさぐ両備バス(特急渋川行)
停止線の手前で安全に停車する下電バス(天満屋行)

右の写真は、岡山駅(東口)バスターミナルの出口の写真である。

1枚目(白いバス)は、停止線を超えて原付の2段階右折用スペースをふさいで停車する両備バスの写真である。 やむを得ず赤い原付がバスの前に停車している。 原付が停まっている水色のラインは、自転車道である。 自転車は水色のラインを通れず、写真を撮る直前まで、交通量が多い駅前の車道にはみ出して渡っていた。

つまり、(1) 両備バスが停止線を超えて原付スペースをふさぐ → (2) 原付が自転車道をふさぐ → (3) 自転車が車道へはみ出す → (4) 危険 という構図である。 単純化して書くと「(1) 両備バスのせいで、(4) 一般の自転車が危険な目に合う」ということである。 結局のところ、両備バスが停止線を超えても、危険な目に合うのは両備バス自身ではないという意識があるから平気で停止線を超えられるのだろう。

↓約1分後に撮影

2枚目(赤いバス)は、停止線の手前で安全に停車する下電バス(下津井電鉄)の写真であり、これが正常である。

岡電バスと宇野バスの比較

信号待ちする2台のバス(奥の白いバス=岡電バス、手前の焦げ茶色のバス=宇野バス)

左の写真は、ある日の朝、岡山駅前から柳川方面へ向かう道路上の横断歩道の様子である。

バスが2台、停車している。 停止線を超えて停車する白い岡電バス(岡山電気軌道)と、いつものように安全に停止線の手前で停車する宇野バス(宇野自動車)の姿である。

停止線をわざと超える岡電バス

十日市バス停付近の横断歩道にて

岡電バスが停止線を超えるのは、ついうっかりとか、やむを得ずではなく、わざとである。 右は赤信号で停車している岡電バスの写真である。 バスが写真の位置に到達するまで、少なくとも10秒以上前から、バスの進行方向の信号は赤だった。 しかし、なぜか停止線を超えている。

おそらくは、岡電バスの運転手の心理はこういうことだろうか。

  1. 信号を見たとき、すでに赤だった。いま赤になったばかりではない。
  2. ということは、もうすぐ青になるはず。
  3. いったん停車してから発車するのは面倒だし燃費も悪くなって怒られる。
  4. やや低速で進めば、交差点に進入するまでには青信号になって、停まらずに交差点を突破できるだろう。
  5. ・・・やばい。まだ赤だ。ブレーキ。

まったくの憶測で書いたが、普段の行動から考えるに、あながち外れてはないだろうと思う。