第41回
平成29年

山手線と大阪環状線
〜特徴に合わせた行先表示の工夫の違い〜

平成29年1月3日掲載

山手線と大阪環状線 それぞれの特徴

JR(鉄道)の環状路線といえば、東は東京の「山手線」、西は大阪の「大阪環状線」が代表的なのです。 山手線と大阪環状線は、どちらも同じ「環状路線」だから似たようなものかと思いきや、実は大きく異なるのです。

山手線と大阪環状線の主な違い
 東京 山手線大阪環状線
運行頻度2〜4分間隔
(環状運転する列車のみの本数)
3〜5分間隔
(ただし環状運転は毎時4本程度
1周にかかる時間約1時間40〜45分
大きな特徴山手線の線路には
山手線の列車のみが走る
大阪環状線の線路には
別方面への列車も走る

この表の「大きな特徴」欄の違いにより、山手線と大阪環状線では電車の行先表示が異なっているのです。

東京 山手線

JR新橋駅 山手線ホームの発車標

東京のJR列車は、各路線とも本数が大変多いという理由もあり、基本的に路線別に線路が独立しており、乗場も路線毎に別々なのです。

左の写真は、JR新橋駅の山手線ホーム(東京方面行)の発車標なのですが、このホームからは山手線だけが発車するのです(ちなみに新橋から東京方面へ向かう別の路線の列車に乗るには、いったん階段を上がって別のホームへ渡る仕様)。

緑色が特徴の山手線
(超高頻度運転を実現する
ため車両性能を統一)

この特徴のため、このホームで列車を待っている人は、来る列車がすべて「山手線」の「東京・上野方面行」であることは分かっているのです。 また、山手線の列車は緑色のため、利用者は、来た列車が山手線であるかどうか念のために確認する際、行先表示を見なくても、列車の色で確認できるのです。 ということで利用者に必要な情報は、山手線を1周する列車か、あるいは1周する途中で運転を打ち切って車庫に入る列車かという区別だけなのです。

山手線の行先表示

このような特性のある山手線で、列車側面の行先表示はどうなっているか? 実際に撮影した写真が右なのです(新橋駅で、山手線の東京・上野方面行を撮影)。

特徴を箇条書きすると、

ということになるのです。

大阪環状線

JR大阪駅にて撮影
JR大阪駅 大阪環状線の発車標

大阪環状線の特徴は、大阪環状線の区間内を回り続ける列車が少ないということなのです。 大阪環状線は「天王寺」が起点・終点になっており、

などが同じ線路を共有して運行しているのです。

そんな大阪環状線のホームに掲示された路線案内(大阪駅にて撮影)が右の写真なのです。 1番ホーム(内回り)からは、大阪→天王寺→大阪という大阪環状線の列車のみでなく、大阪→天王寺を経て大阪環状線以外の方面へ分岐する列車も発車することが分かるのです。

また、ホームの発車標を見ると「環状」、「桜島」、「関西空港・和歌山」と、様々な行先が並んでいるのです。

この特徴のため、大阪環状線の利用客に必要な情報として、「大阪環状線を回り続ける列車」か「途中で分岐して別の方面へ向かう列車か」という部分が重要になるのです。

さて、実際の列車の側面表示はどうなっているか? 撮影した写真が下記なのです(大阪駅の、大阪環状線・内回りホームにて撮影)。

大阪環状線内を回り続ける列車の表示の特徴は、

ということになるのです。

環状運転する列車 途中で別方面へ分岐する列車
(※「6」の数字は「6号車」の意で、行先とは無関係です。)

まとめ

仮に大阪環状線の列車に、山手線と同様に

西九条・天王寺方面
大阪環状線

という表示形式を採用したら、不便だと思うのです。

このように、路線や乗場の特徴も考慮したうえで表示を決めることが大切だと思うのです。