第113回令和2(2020)年

狭い部屋でも気軽になんちゃってホームシアター
~家庭用プロジェクターを買った話(1)~

令和2年1月1日掲載
家庭用プロジェクターを購入した話を、全3回で掲載しています。初回は、10年前と最近購入した機種を比べつつ、自宅にプロジェクターがあると何ができるかを中心に紹介します。

シリーズ(全3回)の目次

  1. 家庭用プロジェクターでできること ←今ココ
  2. 部屋の明るさと、短焦点の長所・短所編
  3. 3D映画編

初めてのプロジェクターを買ったのは、平成21(2009)年5月

BenQ の短焦点プロジェクター MP512ST を購入

自分が初めてプロジェクターを買ったのは、10年前の平成21(2009)年5月のこと。職場で会議室にプロジェクターの準備をしながら、「これが自宅にあれば大画面で映画が見られるのでは?」と思いついたのがきっかけだったのです。

とはいえ、職場と違い自宅は狭いので、大画面は難しいのでは? と思っていたところに、「短焦点」タイプのプロジェクターが存在することを知ったのです。下記の値段は平成21(2009)年5月頃時点です。BenQ社は台湾のメーカーでプロジェクターでは世界的に大手にもかかわらずお手頃価格の商品を製造しているようです。

MP512…43,000円程度
2mの距離で55インチの一般的なタイプ、HDMI端子なし
MP512ST…52,000円
1mの距離で55インチの短焦点タイプ、HDMI端子あり
壁から1.8m離せば100インチの大画面で投影可能

1mの距離で55インチという短焦点であれば、狭い部屋でも壁いっぱいに投影できると思い、MP512STを購入したのです。画素数は800×600と少なめですが、DVDを見るには問題なく、10年間、楽しく活用しています。

家中の好きな場所で投影できるのがメリット

プロジェクターの便利な点は、家中の好きな場所に投影できることなのです。投影場所に合わせて画面サイズも変えられます。

次の写真はリビングで南窓のカーテンレールに90インチのスクリーンをぶら下げて投影しているところです。この場所に90インチテレビを常設したら邪魔ですよね? プロジェクターは、大画面で見たい時だけ設置できるので便利です。

次の写真は別の部屋で壁に映しているところです。こちらは尾崎豊のライブビデオです。スクリーンではなく壁に直接投影しても意外にきれいです。

プロジェクターのHDMI端子に、Amazon Fire Stick(ファイアースティック) や、Google Chromecast(クロームキャスト)を挿すと、NETFLIX(ネットフリックス)、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)、Youtube(ユーチューブ)、Hulu(フールー)などの動画を大画面で見ることができます(別途、インターネット環境が必要)。

さらに別の部屋(というより引越前の部屋)の壁に、ゲーム(東京バス案内という、路線バス運転手を体験できる内容)を投影しているところです。スペースがあれば実物大でゲームを楽しむことができます。

次の写真がプロジェクター本体(MP512ST)です。大きさの比較用にDVDソフトを並べています。プロジェクター本体はそれほど大きくないため、別の部屋へ持ち出すのも容易ですし、引越も容易です。テレビのように「今の部屋に合わせて頑張って75インチのテレビを買ったが、引越し先にはスペースがない」ということもありません・・・プロジェクターだったら壁の隙間のスペースに合わせて画面サイズを変えればよいだけ。

(写真左側のDVDソフトは大きさの比較用です。)

使い方は簡単

プロジェクターに映像機器(DVDプレーヤーやゲーム機、Amazon Fire Stick など)を挿して、適当な壁に投影します。壁の隙間ピッタリに合わせると迫力が増します。壁に近づけると画面が小さくなり、壁から離すと画面が大きくなります。

次にフォーカスを合わせます(ピントを合わせる)。手動で調整するとき、映像を見てもフォーカスが合っているかどうか分かりにくいことがあります。そんなときは下の写真のように、プロジェクターの設定メニューを表示してからフォーカスを調整すると分かりやすいです(メニューの文字がクッキリ表示されたらOK)。

ただし、テレビの代わりにはなりません

ただし、プロジェクターはテレビの代わりに気軽に使うことはできません。

ランプ寿命があります。
MP512STの場合3,000時間(通常時)~4,000時間(エコモード時)ほど。テレビと同じ感覚で使用すると、1日10時間→300~400日、1日5時間→600~800日。1~2年で寿命が来ます。しかし、休日など大画面で見たい時に限って使えば長期にわたって使えます(ランプの使用時間は、いつでもプロジェクターのメニュー画面で確認できます)。
駆動音は大きいです。
プロジェクターは駆動音があります。投影するための機械音に加え、機械が高温になるのを防ぐための冷却ファンの音もあります。大画面に没頭すれば気にならなくなりますが、映画やゲーム自体ではない音が気になる方は、大型テレビのほうが良いかもしれません。なお、近所迷惑になるような大きい音ではありませんので、集合住宅での使用には問題ありません。
気軽にON・OFFできません。
電源をONにして使えるまで1分程度(実感値)かかります。電源をOFFにする際も、1~2分かかります(電源OFFの操作後、機械を冷ますために冷却ファンがフル稼働しますので、すぐにコンセントを抜いてしまうことはできません)。
明るい部屋では見えません。
暗い部屋のほうがきれいに見えます。映画館のように部屋を真っ暗にする必要はありませんが、例えば天気の良い日に、南窓の真昼間の部屋で、カーテンを開けて映画を見ることはできません。
小さいお子様に注意。
ランプを直視すると視力に悪影響があります。ランプを手で触れると故障や破損の原因になります。
映像機器が別途必要です。
プロジェクター本体にテレビを見る機能はありませんので、テレビを見るには別途チューナーを用意するか、ハードディスクレコーダーなどにつなぐ必要があります。

令和元(2019)年12月、フルハイビジョン & 3D対応機を購入

Acer の短焦点プロジェクター H6517ST が、59,850円

というわけで短焦点プロジェクターライフを楽しんでいたのですが、最近、You Tube を見る機会が増え、もっと高画素で見たくなったので、買い替えを検討したのです。せっかくなので単に画素数向上だけではなく他の面も性能アップしたものが買いたいと探していたら、Acer H6517ST が候補に挙がったのです。この機種は現行機ですが2015年発売のため価格もお手頃になっており、次の特徴があるのです。

Acer(エイサー)社は BenQ と同様に台湾の企業でなじみがあったのでメーカーは問題ない。この機種が価格比較サイトの最安値8万円台にもかかわらず、なぜかインターネット通販のアマゾンで、出品者=エイサーダイレクトで 59,850円で売っていたのです(現在は値上げされています、クリスマスシーズンの特価だったのか?)。というわけで、急いで購入したのです。なんと専用ケース(バッグ)も同梱されていてさらにお得だったのです。

(写真左側のDVDソフトは大きさの比較用です。)

画面解像度の比較

せっかくなので、新旧両方の画素数の比較をしたいと思います(壁に投影しています)。

MP512ST 800×600画素
H6517ST 1,920×1,080画素

(注)格子模様っぽいものは壁の模様です。プロジェクター由来のものではありません。

アニメや映画を見る程度であれば画素数の多少はあまり影響ありません(例えばDVDソフトは720×480画素です)。文字の潰れが気になる方や、ブルーレイソフトなどフルハイビジョンの映像を楽しみたい方、最新のゲーム機を使いたい方は画素数が多い機種がお勧めです。

ゲーム機(Nintendo Switch)をスクリーンに投影
H6517ST 1,920×1,080画素