前回は、新たに始まった「バス~路面電車の直通運賃」が適用されると、従来からあった「路面電車どうしの乗換運賃」が適用されず、結果的に100円程度の値上げになるケースがあることの紹介でした。 もちろん、行きと帰りで運賃が異なる結果でした。
今回は、ほかにも行きと帰りで運賃が異なるケースがあることの紹介です。
ハレカを使用してバスを乗り換えると、乗換後のバス運賃が20円引きになる制度があるのです。
~平成27年1月12日まで | 平成27年1月13日~より | |
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路面電車→バスの乗換 | 乗継割引なし | 利用区間によっては 直通運賃を適用 |
バス→バスの乗換 | 乗継割引20円 |
案内チラシには「◆路面電車にはバスとバス間で実施している乗継割引はございません。」と書いてあるのですが、「路面電車~バスの直通運賃を適用後のバスは乗継割引が適用されない」とは書かれていないのです。
ところが、バス~路面電車の直通運賃を適用した後に乗ったバスでは、乗継割引が適用されなかったのです(実際に乗車して確認)。
路面電車 | ← | バス (20円引き) | ← | バス |
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( 直通運賃と乗継割引適用 ) | ||||
路面電車 | → | バス | → | バス (20円引が適用されない) |
( 直 通 運 賃 適 用 ) |
岡山駅前 | ← → | 東山電停前 | ← → | 益野西 | ← → | 西大寺バスセンター |
モデルケースとして「西大寺(両備バス西大寺バスセンター)」から「岡山駅」まで往復する際に、途中の「益野西」バス停で降りて簡単な買い物をしてみたのです。 この区間はバスが10分間隔で運行しているので、途中でいったん降りて用事をしても、乗継割引の制限時間の30分以内に後続のバスに乗ることができるのです。 せっかくなので、バス~路面電車の直通運賃も体験したのです。
各区間の運賃 | |||
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路面電車 | 両備バス | 各運賃の合計 | |
岡山駅前~東山 | 東山~益野西 | 益野西~西大寺BC | |
140円 | 270円 | 210円 | 620円 |
参考/岡山駅~益野西のバス運賃は400円 |
実際にICカード「ハレカ」で乗車したところ、カードからの精算額は次のような結果になり、時間に余裕のある帰り道で寄り道すると運賃が割高になったのです(上段と下段で矢印の向きが逆であることに留意ください)。
路面電車~バスの直通運賃が始まってからの運賃 | ||||
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(行き) 西大寺BC ↓ 岡山駅前 | 岡山駅前←東山 | 東山←益野西 | 益野西←西大寺BC | 合計額 |
カードから 130円減額 | カードから 250円減額 | カードから 210円減額 | 計590円 | |
(乗継割引20円引き) | ||||
(直通運賃400円-乗継割引20円が適用) | ||||
(帰り) 岡山駅前 ↓ 西大寺BC | 岡山駅前→東山 | 東山電停前→益野西 | 益野西→西大寺BC | 合計額 |
カードから 140円減額 | カードから 260円減額 | カードから 210円減額 | 計610円 | |
(直通運賃400円が自動適用) |
よく考えてみると、「帰り」の場合、路面電車~バスの直通運賃が適用されても、正規運賃より10円しか安くなっていないのです。 ということは、代わりに乗継割引20円が適用されなかったら、もしかして値上げされている(?)。
というわけで、以前はどうだったか計算してみたのです。
以前の運賃(路面電車~バスの直通運賃が始まる前) | ||||
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(行き) 西大寺BC ↓ 岡山駅前 | 岡山駅前←東山 | 東山←益野西 | 益野西←西大寺BC | 合計額 |
カードから 140円減額 | カードから 250円減額 | カードから 210円減額 | 計600円 | |
(乗継割引20円引き) | ||||
(帰り) 岡山駅前 ↓ 西大寺BC | 岡山駅前→東山 | 東山電停前→益野西 | 益野西→西大寺BC | 合計額 |
カードから 140円減額 | カードから 270円減額 | カードから 190円減額 | 直通運賃 計600円適用なし のほうが 安い↓ | |
(乗継割引20円引き) |
結果はご覧の通り、帰りに寄り道をすると、お得になるはずの直通運賃で逆に値上げになっていたのです。