平成20年7月1日に岡電(バス・電車)、両備バス、下電バスが定期券をICカード「ハレカ」で発行するようになった際、定期券の区間内にもかかわらず「区間外」と判定されて自動的にカードから減額されてしまう現象が発生し、テレビニュースにもなったのです。 また、定期券で乗り越しを行った際に、正規運賃よりも高い金額が自動精算される事態も起きたのです。
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平成20年7月 定期券面区間内の乗降でICカードから減額される現象のお詫びの掲示 | ||
バス会社のミスで不正に精算されている金額はコンピュータで計算できるはずで、該当の客への連絡先も分かるはずだが、なぜか客に「下記までご連絡」しろという掲示を、客の目につかない(時刻表が掲示されている面の反対側)にこっそり貼るという両備バスの対応(定期券の申込用紙に記入した個人情報を、こんなときに使わずにいつ使うのか疑問)。 それでも告知すらしない岡電バスよりましだというのがなんというか・・・。 |
今回の「バスと路面電車の直通運賃」開始に際して、まさか同じ過ちを犯して客から余分に金を奪おうとするなんてことが平気でできる神経の会社があるとはとても思えないので、今回は十分気を付けているのかと思いきや・・・というお話です。
私は通勤に岡電バスの定期券を利用しており、「岡山駅~天満屋」の区間を含む定期券なのです。 岡電バスの定期券は、両備バスや路面電車にも乗車できるのです。
定期券で乗車できるもの | |||
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岡電バス | 両備バス | 路面電車 | |
岡電バスの定期券 | ◎ | ○ | ○ |
両備バスの定期券 | ○ | ◎ | △ |
岡電(電車)の定期券 | ○ | × | ○ |
◎ ・・・ 区間内で自由に乗降可能。大人・通勤定期券の場合は環境定期券制度も利用可能。 | |||
○ ・・・ 区間内で自由に乗降可能。環境定期券制度は対象外。 | |||
△ ・・・ 路面電車の終点(東山、清輝橋)を含む両備バス定期券で、路面電車の終点でバスと路面電車を乗り換える場合に利用可能。 | |||
× ・・・ 利用不可。 |
協立病院前バス停を発車していくバスの後ろ姿 |
モデルケースとして、平日の夜、仕事が終わってから岡山駅から協立病院までお見舞いに行くことにしたのです。 岡山駅から直接バスに乗って協立病院まで行ってもよかったのですが、バスの待ち時間が長そうだったので路面電車で行くことにしたのです。 でも、路面電車を「門田屋敷」で降りて協立病院まで10分ほど歩こうと思ったら、ちょうどバスが来たので、バス停1つ分だけ乗ったのです。
路面電車から降りた後で歩くのが面倒になってバス停1つ分だけ乗ってもあまり高くならないというのが直通運賃のよいところなのです。 私は「岡山駅~天満屋」に有効な岡電バス定期券を持っており、路面電車の「岡山駅前~天満屋最寄り電停」にも有効なので、定期券と直通運賃のおかげで天満屋~協立病院前の運賃と同じ170円で利用できるはずなのです。
岡山駅~天満屋の 岡電バス定期券が有効 | |||||||
路面電車 | 岡山駅前 | ~ | 県庁通り | ~ | 門田屋敷 | ||
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岡電バス | 岡山駅 | ~ | 天満屋 | ~ | 国清寺前 | ~ | 協立病院前 |
岡電バス 協立病院前バス停までの運賃 | ||
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岡山駅から | 天満屋から | 国清寺前から |
200円 | 170円 | 170円 |
ところが、実際の精算結果は、200円になったのです(平日に利用した場合です)。 つまり、定期券が無効と見なされたのです。 ちなみに帰りは正しく170円で精算されたのです(上段と下段で矢印の向きが逆であることに留意ください)。
(行き) 岡山駅前 ↓ 協立病院前 | 路面電車 | 岡電バス | 備考 |
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岡山駅前→門田屋敷 | 国清寺前→協立病院前 | ||
カードから 140円減額 | カードから 60円減額 | 定期券が 無視されている。 | |
計200円が自動精算 (岡山駅~協立病院前の直通運賃) | |||
(帰り) 協立病院前 ↓ 岡山駅前 | 路面電車 | 岡電バス | 備考 |
岡山駅前←門田屋敷 | 国清寺前←協立病院前 | ||
カードから 0円減額 | カードから 170円減額 | 岡山駅~天満屋間 は定期券面区間内 として、外れる区間 のみを正しく精算。 | |
計170円が自動精算 (天満屋~協立病院前の直通運賃) |
なお、次回は、土曜や日祝に利用したら定期券がない場合よりも高くなったという話を掲載します。