直通運賃のチラシ |
平成27年1月13日から、岡電バス・両備バスの一部路線で、路面電車とバスを乗り継いで利用した際も、乗換なしでバスのみを利用した場合と同じ運賃が適用されるサービスが始まったのです(ICカード「ハレカ」を使用するときのみ)。
さっそく試してみたのです。
なお、当サイトの本来の趣旨から言えば、便利帳のコーナーに掲載すべきなのですが、コラムとして掲載することになったのは、精算金額に不審な点があるからなのです。
出発地:岡山南警察署 (泉田口バス停) | → | 目的地:岡山市立市民文化ホール (小橋電停) |
モデルケースとして「岡山南警察署付近(泉田口バス停)」から「岡山市立市民文化ホール(小橋電停・小橋バス停)」まで移動してみたのです。
この区間の公共交通での一般的な移動方法としては、次の2種類なのです。
1番目の方法は天満屋~小橋間のバスの便数が1~2時間に1本しかない上に運賃が高いので、便数の多い2番目の方法で移動してみたのです。 なお、それぞれの区間の個別の運賃は次のとおり(記事掲載時点の大人・片道の金額)。
各区間の運賃 | ||
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岡電・両備バス | 岡電(路面電車) | |
泉田口~清輝橋 | 清輝橋~柳川 | 柳川~小橋 |
190円 | 140円 | 140円 |
参考/泉田口~岡山駅は 290円 | 参考/清輝橋~柳川乗換~小橋は 以前から乗換制度があり140円 |
実際に乗車したところ、支払い金額・カードからの精算額は次のような結果になったのです。
泉田口→清輝橋 | 清輝橋→柳川 | 柳川→小橋 | 合計額 | |
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現金の場合 | 190円を払う | 140円を払い 乗換券を受取る | 0円 乗換券を使用 | 計330円 |
(乗換運賃140円適用) | ||||
イコカの場合 | カードから 190円減額 | カードから 140円減額 | カードから 0円減額 | 計330円 |
(乗換運賃140円が自動適用) | ||||
ハレカの場合 | カードから 190円減額 | カードから 100円減額 | カードから 140円減額 | 計430円 |
(直通運賃290円が自動適用) | ||||
バス~路面電車の直通運賃が始まる前(~平成27年1月12日まで)は、ハレカの場合も現金・イコカと同じ合計330円だったが・・・。 |
泉田口→清輝橋→柳川の時点では、たしかに「バス~路面電車の直通運賃」のおかげで以前より安くなっているのですが、さらに乗り換えると従来よりも100円高くなったのです。 しかも、現金払いよりも高い、(岡山専用のハレカより)他社であるJRのカード「イコカ」のほうが安いという結果になったのです。
さらに言えば、路面電車の乗換制度を活用して方法1.の420円より安くなるはずが、かえって高くなったのです。
チラシ(表)の見出しのすぐ下 |
チラシ(裏)の右下 |
チラシをよく見ると、表の目立つ場所に赤字で「おトクにご利用いただけます」と書いてるのです。 しかし裏の隅に「【ご注意ください】◆路面電車の東山線と清輝橋線を、柳川電停で無料で乗り継げるサービスは、直通運賃適用時にはご利用いただけません。」と書いてあるのです。 さて、【ご注意ください】と言われても、注意の仕方が書いていないのです。
もちろん、おトクにならないことがあるのはだれでも承知なのですが、従来の割引制度が廃止されたわけでもないのに、従来の割引制度を無視して少ししか安くならない方の割引制度を適用するのは問題だと思うのです。
一般的には、今回スタートした「バス~路面電車の直通運賃」と、従来からある「路面電車の乗換運賃」の両方を適用することができない場合、どちらか片方を客が選べるのが普通なのです。 そして、利用客に「どちらにしますか?」と確認せずに企業が自動で割引を適用する場合は、どちらか利用客に得になる方を自動適用するのが一般的なのです。
現に、ICカード「ハレカ」のバス定期券で、定期券面区間以外を利用した場合、いくつかの計算方法のうち、自動的に一番安くなる計算方法で精算されるのです。 いったい、今回の直通運賃の(精算システムの)開発で何が起きたのか、大いに疑問なのです。
参考:ICカード「ハレカ」のバス定期券で、定期券面区間以外を乗車した場合に自動精算される金額の説明は下記です。