第79回平成30(2018)年

マクドナルドで商品が足りなかった話(1)
~以前は迅速な対応を大事にしていた~

平成30年12月29日掲載
大手ハンバーガーチェーン店のマクドナルドから帰宅したら、商品が不足していた場合の対応の変化について、体験談を全2回で掲載しています。今回は平成初頭編です。平成後期編はこちら

昔のマクドナルドはカッコよかった

平成が始まった頃の話

いまから30年近く前、平成が始まったばかりの頃、自分は中学生だったのです。当時の日本は海外旅行も一般的ではなく、東京ディズニーランドも開園して間もない時代、アメリカに憧れがあった時代なのです。

という時代背景から、マクドナルドは子供目線では「アメリカからやって来たかっこいい店」というイメージで、店員さんも「かっこいいお兄さんとお姉さん」がいるというイメージ、マクドナルドでアルバイトするのは格好いいことだという時代だったのです。

持ち帰ったら、ポテトが足りなかった(平成初頭編)

平成が始まって間もないある日の12時半頃、昼食に母がマクドナルドを買ってきてくれたのです。さっそく食べようと袋を開けると、「ポテトS」が足りない。母に聞くと注文したはずとのこと。そこで電卓をたたきながら払った金額を計算すると、確かにポテト込の金額を払っている模様。

当時中学生だった私は、「こういう場合の店の対応は一般的にどうなのか」というのが知りたくなったのです。子どもながらに社会勉強気分。母は面倒がったので、わくわくドキドキしながら当時中学生の私が店に電話をかけたのです。

電話をかけるとすぐにつながって、事情を話すと「すぐにお届けします。」と言われたのです。代金を払ったにもかかわらず商品を受け取っていない客に対して、商品を届けるのは当然。届けなかったら泥棒と同じ。とはいえ「客である自分が店まで行く必要があるのだろう」と思ってかけた電話だったので、即答で「すぐにお届けします。」と言われたことに驚愕したのです。

しばらくすると本当に、マクドナルドの制服を着たかっこいいお兄さん(店長?)とお姉さん(アルバイト?)の男女2人組が自宅に来たのです。母が、わざわざ届けに来た2人に労い(ねぎらい)の言葉をかけ、ポテトSを受け取り※1、食べることができたのです。やはり世界のマクドナルドはすごい、アメリカはすごい※2と素朴に感じた中学生男子だったのです。

客が満腹にならないうちに届けることが大切

この経験を通して、食事を扱う店では「すぐに届ける(ただし電話代は客負担)」というのが一般的なのだと学習したのです。おそらく理由は2つあるのです。

  1. マクドナルドは生活必需品ではないから(不満を感じた客は2度と利用しない、客の人数が減る)。
  2. 時間が経ったら客のお腹が一杯になるから(客単価が減る)。

2番目の理由について詳しく述べてみる。当時、食べ盛りの男の子だった自分は、「バーガー類3個、ポテトS、シェイク、アップルパイ」という量を目安に食べていたのです。仮にすぐにポテトが届かなかったらどうなるか? 食後すぐは物足りないと感じても、20~30分経てば満腹を感じるはずである(体が満腹になってから脳に満腹の信号が届くまでには時間差がある)。結果として「今までよりもポテト1つ分、買う量を減らしても満腹になる」と客が気づくことになるのです。

店の立場で考えれば、謝って対応して理由1の客離れを防いだとしても、理由2の満腹により「今までよりポテト1つ分、購入量が減る客」が増えて行ったら、売り上げが落ちるのです。これが「すぐにお届けします」の理由だと思うのです。

平成後期のマクドナルドは凋落していた

平成20年台後半の場合

次にマクドナルドに電話をすることになったのは平成20年台後半の話。この時は朝マック(朝10:30までの朝食時間帯限定のメニュー)を利用したのです。人手が少ないのか客数の割に注文や商品受取りに時間がかかり、「ファーストフード」の精神に反することにやや不機嫌になりながら帰宅したのです。

帰宅後、商品に不備があり店に電話をすることに。このときは店員が電話に出るまで時間がかかり、それでもお届けしますというので住所等を伝えて待ったのです。このときは女性店員が1人で自宅に来たのです。

客がマクドナルドのような手ごろな価格帯(とはいえ100円ショップのように安いわけではない)の食事を買うのは、「今すぐ手軽に食べたい」という理由なのです。食べる気満々で帰宅していざ食べようとしたら商品不足というのでは気分がげんなりするのです(値段は子供の頃より高くなっているにもかかわらず)。